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「くらしの窓」連載【日本民家園を行く】

【日本民家園を行く】第1回・旧原家住宅

生田緑地内の市立日本民家園は、古い建築物の保存を目的として1967年に開園した野外博物館。東日本の古民家を中心に25件が移築、展示されている。国指定重要文化財7件、国指定重要有形民俗文化財1件など、歴史的価値の高いものばかり。日本を代表する民家園といっても過言ではないだろう。
このコーナーではこれらの貴重な建物を紹介。時代や地域によって異なる発展を見せた日本建築から、かつての日本人の暮らしが見えてくる。
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市重要歴史記念物の旧原家住宅は、明治44(1911)年に建てられた入母屋造りの木造2階建ての家屋。ケヤキをふんだんに使い、外観は重厚かつ豪壮。棟高は約12メートル、面積は延べ117坪(387平方メートル)にも及ぶ。
原家は現在の中原区小杉陣屋町の豪農だった。「江戸から明治に変わり厳しい身分制度がなくなったことで、庶民でもこのような豪華な邸宅の建築が可能になったんです。またこの家が建てられたのは木造建築の技術が非常に発達したころでした」と同園主査・外山明彦さん。それゆえ原家もこの住宅の建設には相当力を入れたようだ。建材はすべて原家の所有地から切り出されたが、建材集めだけで実に20年もの歳月を要したと言われている。
もちろんただ大きいだけではなく、贅を凝らし、木造建築技術の粋を集めている。それを象徴するのが、勝手口の横にある縁側の引き戸を納める戸袋だ。この戸袋だけで80人がかりで作られたというから驚かされる。「真ん中の板が一枚板なのが分かりますか。この戸袋だけではなく、戸板や縁側の床板など、このような一枚板は随所に使われています」(外山さん)。障子一枚ほどの大きさもある一枚板を所有地から何枚も切り出せる、原家の財力の程をうかがわせる。
中も広く、天井も高い。1階の6部屋だけで64畳もあり、小さな家ならすっぽり収まってしまうだろう。格式の高い客間の「ザシキ」は天井が特に高く造られ、長押も2段になっている。また「オンナベヤ」には大黒柱に鴨居を差し込む技術の構造模型が展示してある。専門的な技術の精巧さもさることながら、柱の太さにも注目したいところだ。
明治大正の大地主の暮らしを今に伝える旧原家住宅。一般公開されているのは1階のみだが、2階は公開講座などの際学習室として利用される。また、台所にははた織り機があり、主に休日にはた織りの実演が行われる。

(「くらしの窓」2006年6月11日号掲載)

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