メディ・あさお217号(2019年12月25日発行)
【あさおヒューマン】株式会社SOERUTE 代表取締役・山上剛史さん
高石に事務所を構え、訪問看護などを行っている株式会社SOERUTE(添える手)。現在、IT企業と共同で、IT技術を取り入れた新しい在宅リハビリサービスを開発中と聞き、社長の山上剛史さんを訪ねました。
1982年、埼玉県生まれの山上さんは、高校卒業後に「男の修行のつもりで」防衛大学校に入校、卒業後は航空自衛隊に入隊。戦闘機などの整備を担当する部隊の指揮官、幹部候補生学校の教官などを経て、オーストラリア国防大学とオーストラリア国立大学に留学し、最優秀海外留学生に選ばれるなど、将来を嘱望されていました。
「東京の本省勤務になったとき、自然が豊かで住みやすく、縁もあったので細山に家を買いました」という山上さんに転機が訪れたのは2017年。ご家族が立て続けに介護を必要とするような大ケガをしたのです。危機的な状況で、どうしても山上さんの手が必要となりました。
「君は将来の空自を背負う人材だから」と退官を引き止められた山上さんは、当初、介護休暇などを利用して家族の介護に追われていました。しかしそのうち家族が経営する会社の規模も大きくなり、「わが家にはあなたの代わりはいないのよ」という切々たる一言。ついに一大決心し、自衛隊を退官したのはことし4月のことでした。
まったく異なる分野に足を踏み出すことになった山上さんですが、今では「国防のためにと思っていたバイタリティを、これからは地域のために活かそう」と思い定め、会社を地域の中でさらに発展させていこうと考えています。
現在開発中のサービスは、東京都港区の株式会社モフとの共同開発。写真で山上さんが手首に巻いている専用のリストバンドで体の動きを感知し、タブレットと連動してリハビリ訓練を行うことができるのが特徴です。施設向けの同様のサービスを営業に来たモフの取締役に、山上さんから「在宅分野でもこういうサービスはできませんか」と逆提案して始まった試みなのだとか。
現在は来年2月の本格的な提供開始を目指してテスト試行中ですが、山上さんは「このサービスなら、看護師でも部位別、疾患別などきめ細かなリハビリの指導ができるようになるし、データ管理も楽になります。利用者も音楽に合わせて体を動かすなど、レクリエーションを兼ねて楽しくやれているようです」と、手応えを感じている様子。
「人の動かし方や組織論などは自衛隊も民間企業も共通する部分がありますね」と、指揮官としての訓練を受けてきたことを会社経営にも役立てている山上さん。今後は保育の分野への進出を視野に入れているというSOERUTEも、地域を代表する企業になってくるのかもしれませんよ。
(2019年12月25日号掲載)
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