メディ・あさお206号(2019年1月25日発行)
麻生区からは2件だけ 地域文化財顕彰制度
市の教育委員会では一昨年、市内の文化財を顕彰・記録し、多くの人に伝えていくことを目的とした「地域文化財顕彰制度」を創設し、昨年11月末に63件を第1回の地域文化財として決定しました。
これは昨年3月から5月にかけて、対象文化財の保存や活用に関わりのある市民団体からの推薦を受け付けて選定されたもので、内訳は有形文化財24件、無形文化財1件、無形民俗文化財22件、有形民俗文化財14件、記念物2件。このうち麻生区から選ばれたのは琴平神社の所蔵する「志村家文書」(有形文化財)と向原弁天公園内に安置されている「向原の石造弁財天像」(有形民俗文化財)の2件でした。ほかに岡上から多摩区の日本民家園に移築された「蚕影山祠堂関連資料」も有形民俗文化財に選ばれており、これを含めると麻生区関連の文化財は3件となります。
地域によって選ばれた文化財の数にばらつきがあることについて、教育委員会文化財課では「全市的に同じように告知を行ったが、麻生区では単純に推薦が少なかった」と話しています。他区から推薦された文化財には年代が不明なもの、限られた時期しか公開されない(秘仏など)ため調査できなかったものなど、継続調査として指定を見送られたものもありましたが、麻生区ではそのような例もなかったとのこと。「ただ、麻生区からの問い合わせはほかにも複数ありました。書類作成が間に合わないなどで今回は正式な推薦に至らなかったのですが……」(文化財課)。
「向原の石造弁財天像」は、1828年の紀年銘がある石像。「志村家文書」は、江戸時代中・後期の王禅寺村や周辺の村々の様子がわかる史料や当時の二ケ領用水の地図など約2000点の文書類です。文書を所蔵する琴平神社の宮司・志村幸男さんは「このように地域の文化財と認められたので、これからも大切にしていきたい」と話していました。
(2019年1月25日号掲載)
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タブロイド版全8ページ、発行部数は約7万部。
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