メディ・あさお203号(2018年10月25日発行)
【雨の山・水の山 大山】大山と麻生区の関係 「竹ッポ」かついで雨乞いへ
大山の別名は「雨降山(あふりやま)」。「常に雲や霧が山上に生じ、雨を降らす」ことからついたといわれ、古くから雨乞いの山として知られていました。また、大山をはじめとする丹沢山系が育む水は名水として知られ、地域の資源となっています。
ことしのメディ・あさおでは、「水の山・大山」にスポットを当ててみました。
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雨乞いで知られた大山。江戸時代には雨乞いとは別に「大山詣り」が関東各地で流行し、大山詣りのための組織「大山講」が数多く作られました。
麻生区でも、地域によっては雨乞いのために大山に参拝する習慣が数十年前まで残っていました。細山の細山神明社には、雨乞いの際に使用された竹筒、通称「竹ッポ」が今も保存されています。
雨乞いを行うことが決まると、夜中の12時ごろに細山神明社に参拝し、「竹ッポ」を肩にかつぎ、2人1組で大山へ向かいます。相模川を越え、厚木を経て大山阿夫利神社にお参りし、山の中腹にある二重滝で水を汲んで細山まで持ち帰りました。
「お水」を持った人が立ち止まってしまうとその場で雨が降ってしまうとされていたため、帰り道は休まずに歩き続けなければいけませんでした。2人1組だったのはそのためで、食事やトイレなどは「竹ポッポ」を交代で持ちながら順番にすませ、立ち止まることのないようにしたのだと伝えられています。
細山での雨乞いの習慣は戦後間もなくまで続きましたが、開発が進んで水田がなくなるのに伴って行われなくなったということです。
(2018年10月25日号掲載)
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タブロイド版全8ページ、発行部数は約7万部。
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