川崎市麻生区の地域情報紙「メディ・あさお」です
地元の情報をきめ細やかにお伝えします

メディ・あさお202号(2018年9月25日発行)

【あさおライブラリ17】人の手で守られて40年 多摩自然遊歩道

「残り少なくなってきている緑を市民にたっぷり味わってもらおうと川崎市が整備を進めていた市内初の「多摩自然遊歩道」の工事が終わり、(中略)これまでは地元の人が利用するだけの「知られざる散歩道」は、(中略)手軽に楽しめるハイキングコースとして人気を集めそうだ」〈「くらしの窓」388号/1978(昭和53)年10月5日発行より〉

環境問題に取り組む市民の提唱をきっかけに、小田急線読売ランド前駅からJR南武線稲田堤駅まで、約4・2キロの遊歩道が整備されたのが40年前。中でも読売ランド前駅からよみうりランド外周道路までの約1キロは森林浴が楽しめる尾根道で、完成を機に地元住民が中心となって始めた一帯の愛護活動は、数々の開発計画を阻止し、今も続いています。
「多摩緑地保全地区こもれびの会」は、遊歩道を安心・安全に利用できるよう、やぶを伐採して見通しをよくしたり、台風や大雨、降雪後の倒木や水たまりの除去などに取り組んでいます。美しく整備された竹林エリアは、第2・3日曜午前の作業日に一般開放されています。
「麻生多摩美の森の会」は、遊歩道とよみうりランド外周道路に隣接する麻生区市民健康の森と周辺の里山環境を保全・育成するとともに、イベントの開催や環境学習などで、地域との交流を深めています(写真)。
「川崎・多摩美の山トラストの会」は、一帯の緑地を自然のまま後世に残すことを目的に、募金活動を行っています。周辺の民有地を、募金を充てて市に買い取ってもらい、開発が厳しく制限される「特別緑地保全地区」に指定してもらうためです。この活動を広めるためのイベントを定期的に開催しています。
絶滅危惧種を含む約480種類の植物が生息する、貴重な里山の自然を残すため、いずれの会も有志の参加を呼びかけています。

【「くらしの窓」とは】
新聞販売店・赤本新聞舗(現・あかもと本舗)創業者の赤本良造が、1955年に購読者サービスの新聞折込として創刊。高度経済成長期の地域の変貌ぶりなど、全国版の新聞では紹介しきれない情報を読者に伝え、地域情報紙のさきがけとなりました。
その後、関連会社のくらしの窓新聞社(現・メディスタくらしの窓新聞社)に引き継がれ、2011年まで56年間、1397号を発行。本紙「メディ・あさお」は「くらしの窓 麻生区版」として2001年10月に創刊されました。現在の社長・赤本昌応は三代目にあたります。

(2018年9月25日号掲載)

「メディ・あさお」とは

川崎市麻生区で月1回発行している地域情報紙です。
タブロイド版全8ページ、発行部数は約7万部。
麻生区内(岡上をのぞく)の各家庭に手配りでお届けしています。

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