メディ・あさお193号(2017年12月25日発行)
【特集】祝・川崎フロンターレ初優勝!<
2.愛されるクラブの栄冠 メディ・あさお記者の目
記者には忘れられない光景がある。2010年、稲本潤一選手が加入したときのこと。スター選手の入団に、入団会見場には今までにないほど多くの報道陣が詰めかけていた。一通りの会見が終わり、クラブスタッフが「では、これから稲本選手には外に集まっているサポーターにリフティングを披露してもらいます」と言った時、会場が一瞬ざわめいた。
ざわめきの理由はすぐに分かった。普段、等々力で見たことのない記者たちが小声でささやき合っていたのだ、「おいおい、稲本にそんなことやらせるのかよ」。その時、はじめて気がついた。フロンターレにとって当たり前のことでも、ほかのチームにとってそうとは限らないのだ、と。
フロンターレが街の話題になることで川崎市を盛り上げたい。川崎市民に愛されることでチームを強くしたい。フロンターレはそのような理念を掲げ、地域密着活動を徹底してきた。その徹底ぶりが、「フロンターレを知らない」サッカー記者たちを驚かせたのだった。奇想天外なコラボ企画を次々と打ち出し、選手もスタッフも体を張った。どれもこれも、コラボ相手と市民に興味と話題を提供し、クラブに親しみを持ち、愛してもらうためだった。
12月10日の優勝パレードに先だって行われた福田紀彦市長への優勝報告会の際、福田市長はそんなフロンターレの活動を「サッカーを知らない人たちが皆さんのおかげでサッカー好きになった」とたたえた。Jリーグの調査で「地域で大きな貢献をしている」クラブとして7年連続第1位を獲得したのも、そんな活動が実った結果だ。フロンターレはもう地域にしっかりと定着した、ピッチの中でも外でも市民に愛される存在となった、だから「あとはもう足りないのはタイトルだけだね」、そんな言葉がサポーターから聞かれるようになっていた。
そんなフロンターレが、そんなスタイルを貫きながらつかんだ栄冠。足りなかった最後の1ピースがやっと埋まった。
(2017年12月25日号掲載)
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