メディ・あさお192号(2017年11月25日発行)
【あさおヒューマン】あさお和凧の会会長・廣嶋一康さん
モノ作りあってこその今の日本。子どものうちから、モノ作りに親しんで、その楽しさと必要性に気づいてほしい。そんな願いを込めた和凧作り体験会や凧揚げ大会を開く、あさお和凧の会。元々は、町内会活性化の一環としてスタートした事業ですが、昨年度「麻生区市民提案型協働事業」の1つに選ばれたことから、麻生区全体に活動場所を広げようと会が発足。その会長を務めるのが、廣嶋さんです。
和凧作りの講習会に昨年参加し、町内の役員さんから「君しかいない」と言われ、会長を引き受けたという廣嶋さん。凧作りのスペシャリストではないどころか「地域社会で生きられない男」という自覚があったと言われて、びっくり。
横浜の下町に育ち、大学卒業後は、絵に描いたような企業戦士に。大手石油元売会社で「月100時間は優に超える」残業をものともせず、夢中で仕事に打ち込んでこられたとのこと。うまくいかないことがあっても落ち込まず、「悪運が強い」から最後にはうまくいくと信じ、「先輩に助けられながら」勤め上げたのでした。
「会社を辞めたいと思ったことはなかったんですが、先輩から『部下は辞めたいと思っていたかも』と言われた」ことが、現役引退後の廣嶋さんの生き方に大きく影響します。
「地域での関わりは、上下関係のないフラットなもの」だから、自分には向かないだろう。そんな思いが、「地域社会で生きられない男」という言葉になっていったのです。
会社勤めが終わったあと、奥さまに迷惑をかけるような「陽だまり老人」になりたくないと思った廣嶋さんが心がけたのは、とにかく家にいないようにすること。学生時代から親しんできたスキー、現役時代から好きなゴルフやカラオケ等を楽しみつつ、学生時代にはできなかったギターの代わりにウクレレやドラム、ヨット等、好奇心の赴くままに趣味の世界を広げていきました。奥さまとは、一緒に遊べるものがあったらよいと思って、ゴルフに誘ったそうですが「熱心に教え過ぎて逃げられた」のだとか。
そのうち「遊ぶのに飽きて」きた廣嶋さん。一念発起して社会保険労務士の資格をとったことから区民講師を務めたり、地域教育会議の委員を務めるなど、地域活動に少しずつシフトしていくことになりました。
「『俺が俺が』では地域で生きられない」と、意見が合わないときは黙っておくとか、あえて近づかないようにするなど、気をつけているという廣嶋さん。皆さんが参加しやすい環境作りに、心を砕いていらっしゃるようです。
「自分の子どもと遊んだ記憶がないし、父兄会に行ったこともない」のに和凧を通じて、地域の子どもたちと関わるのは「罪滅ぼし」なのかも、と笑う廣嶋さん。12月3日には和凧作りの講習会を開くとのこと。仲間が増えていくのが楽しみですね。
(2017年11月25日号掲載)
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