メディ・あさお179号(2016年10月25日発行)
【特集】秋の大山を楽しもう! 2016
2.大山と川崎市の関係 納め太刀の話
かつての大山詣りには、「納め太刀」「迎え太刀」といって、阿夫利神社に木刀を奉納する風習がありました。願い事をする人が木刀を奉納し(納め太刀)、かわりに奉納された木刀を一本もらって帰る(迎え太刀)のです。源頼朝が武運長久を願って太刀を奉納したのが起源とされ、江戸時代には庶民の間に広がりました。
最初は小さなものがほとんどだった納め太刀ですが、しだいに大きさや造形に凝った太刀を納めようという講や個人が増加。阿夫利神社には長さ7メートルの大太刀が現存しているほか、高津区溝口の大山街道ふるさと館には長さ3メートルの復元大太刀があり、毎年高津区民祭では区民が大太刀を担いでパレードに参加します。
●「大太刀」担いでみませんか
11月20日、ふるさと館で開催される「秋のサポーターズクラブまつり」の一環として、9時45分から「大山街道ぶらぶら散歩」が行われます。ガイドの案内で溝口界隈の史跡を巡り、途中、ふるさと館に立ち寄って納め太刀を実際に担ぐ体験ができます。参加費300円。申し込みは往復葉書の往信欄の裏に「大山街道ぶらぶら散歩」と書き、参加者名とフリガナ(1枚2人まで)、年齢、住所、電話番号を書いて〒213-0001高津区溝口3-13-3大山街道ふるさと館まで11月1日必着で送ります。問い合わせは電話044-813-4705。
●日本民家園と木刀奇譚
1973年、長野県佐久郡でのこと。多摩区の生田緑地にある日本民家園に移築するために、築280年の古民家、旧佐々木家住宅の解体工事を行っていたところ、大山の納め太刀が出てきました。それを見た当時の園長、古江亮仁さんはびっくり。木刀には「宝暦四年」「武州川崎小土呂町近藤源エ門内」という文字が書かれていたのです。つまり西暦でいうと1754年に、川崎宿小土呂(現川崎区)に住む近藤源エ門さんの奥さんが奉納した太刀だったのです。古江さんは「川崎から大山に奉納され、長野の人が持ち帰った太刀が200年経ってまた川崎に帰ってきた」と、「墨東綺譚」ならぬ「木刀奇譚」と呼んで大喜びだったそうです。この太刀は現在も民家園が収蔵しています。
(2016年10月25日発行)
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