「メディ・あさお」掲載記事

【あさおヒューマン】ダンサー・演出家 「山猫団」主宰 長井江里奈さん

10周年を迎えるイルミネーション、kirara@アートしんゆり。12日の点灯式を盛り上げてくれた「山猫団」を主宰する、区内在住のダンサーで演出家の長井江里奈さんにお話をうかがいました。
昨年に続き「岡の上のサーカス」で麻生区の子どもからおとなまで巻き込んだワークショップも展開している長井さん。そんな彼女の転機は、東日本大震災だったのだとか。
「震災のあと、イベントが次々に中止になっていきましたよね。それで、自分がやってきたことは、有事に何も役に立たないんだ、できることはないんだと思ったんです。でもダンスを通して社会にできることがあってほしい、なきゃだめだと悶々として」
「自分がやりたいことをやってきた」ところから、人のため、社会のためという視点が加わるようになったのでした。
吉祥寺生まれの吉祥寺育ちで、普通のサラリーマンの家庭に育ったという長井さん。オペラ歌手の祖母にピアノを習っていた以外は、「木に登ることが好きなおてんば」で「怒られても響かない」少女だったとか。
高校では、「バトントワリングやチアリーディング部は、週6日も練習があるからやれない。週3なら」とダンス部へ。やってみたらおもしろくて部活では物足りず、ダンススタジオに通い、ダンスの専門学校を卒業することになりました。
さまざまなダンスを学ぶ中で、笑顔で踊ることができない自分は「商業系ではないな」と思うように。 コンテンポラリーダンスの第一人者、伊藤キムさんの下で舞台作品に出演するようになり、海外ツアーも多い忙しい4年ほどを過ごします。その後、「まことクラヴ」のメンバーとして路上でのパフォーマンスを10年ほど。ところが「予定が常にある」引っ張りだこの日々から、ある日突然、活動休止へ。そこに震災が重なったのでした。
もやもやしていた中で、「1人で踊れること」に気づいた長井さんは、ソロ公演を始めます。それまでの活動で知り合った友人に照明や音響、美術などを頼み、一軒家がサーカス小屋になった、という設定で「山猫団」を立ち上げたのでした。
一方で、小学校で表現を教える活動も。「子どもは嫌いだと思ってたけど、向いてるみたいです」と笑う長井さん。表現を通じて子どもたちに「自信を持ってほしい」と願っています。
30代前半に膝を壊し、伸びず曲がらず痛む膝を抱えても踊り続けたという長井さん。その細い体のどこに、6年かけて手術をせずに治したという強さがあるのかと思ってしまいます。
「今、41歳なんですね。20代のほうがジャンプは高かったかなという気はしますけど、まだまだ。60代でも現役、80代でも厳しく指導している先輩ダンサーもいますから」という長井さん。今月末からは全国9か所のライブハウスツアーを元気に回っていることでしょう。

(2016年11月25日号掲載)



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